広島の自助グループ 「NPO法人 小さな一歩・ネットワークひろしま」

自死遺族支援、自死(自殺)防止のための支え合い

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「死にたい」衝動は「気持ちの持ちよう」で解決するのか

最近、うつ症状がある人で、突然希死念慮や強い孤独感が発作的に高まる人と話をすることが続きました。

以前から、急性的な気分の落ち込みがある人には、精神科の受診について尋ねることもよくあります。
ちょっと前までは「精神科に受診して向精神薬をもらっても、薬害や薬への依存が怖くて、薬を飲まない」という話が多かったのですが、
ここのところ、医師側が患者の「こころの病」を認めず、治療方針も決めず、薬も出さないケースが続いています。

もちろん、「話を聞く」ことの大切さを知るからこそ、今の活動をしているのですが、
発作的な状態で電話をしてくる人に相対すると、
「ここまで重いうつ状態にある人を、本当に『話をすればよくなる』と思っているのか?」と
医師の見立てを疑うことも少なくありません。

向精神薬については、数年前から賛否両論、というより、どちらかというと否定論が強く、
まず、当事者が薬に恐れを抱きました。
お話を聞いていても、向精神薬は処方されても飲まない、とか
以前に行った精神科医の薬でひどい経験をしたので、医者にはかかりたくない、という話を多く聞きました。

でも「死にたい衝動が突然強くなって、自分でもどうにも止められないんです。助けてください!」と電話口で叫ぶ人に
「いつからですか?」
「前から時々そういう衝動にかられてしまうことがありました」
「精神科医はどのように診断したのですか?」
「精神科では『あなたは病気でないので、薬は出しません。誰かと話をするとかして、自分の気持ちを解決しなさい』と言われました」

「誰も助けてくれない」「はしごをはずされた」絶望感。

それでも何度かにわたって電話で話をしているうちに、とりあえず、発作はおさまったようで安心しました。
でも、いつ、自分がこの発作に襲われるかわからない、その恐怖感は未解決です。
 

以前、精神科医が自ら
「薬では精神疾患の『根治』はできない。カウンセリングや傾聴、身近な人への相談などを通じて時間をかけて直していかないといけない。
でもね、
その『話ができる状態』が大きく失われている時に、とにかく、状態を改善するために薬が必要な時もある、と思ってほしい」と話していました。

私は、その話で、ちょっと腑に落ちた気がしたのですが、どうなのでしょうか。

 

 

2015年09月21日 19:03