同じ曜日の同じ日
5年前と今年は同じ日が同じ曜日。
そのためか、今年は特に、日曜日から始まった5年前の出来事が頭に浮かんできて、
いったん思い出すと消えていかないのです。
12日日曜日、私たち夫婦の結婚記念日のお祝いで娘と3人でレストランで食事をした。
13日月曜日、娘に誘われてライブに行った。
14日火曜日、薬を大量に飲んだ娘が救急病院に運ばれた
15日水曜日、午前10時すぎ、ビルから飛び降りた
この日の天候は今日と全く同じ、薄曇りで蒸し暑かった。
この日を境に、娘は目を開けることも口を開くこともなく、21日に昇天しました。
今日のこの日は、娘と会話を交わした最後の6月15日の水曜日。
たまたまでしょうか、日曜日から、5年前を思い起こすような行事や出来事が続きました。
人間の記憶は不思議なものだと、他人事のように思います。
同じ日と曜日は、心の奥底にしまってあった風景や言葉を動画のように目の前に映し出す。
「ひさかたの 光のどけき春の日に しずこころなく 花の散るらん」
百人一首の句をなぜか最近よく思い出します。
「こんなにのごかな春の日なのに、花びらはどうしてこんなにあわただしく散っていくのか、静める心はないのか、という歌です。
25歳、まだ、何度でも花を咲かせることができたはずなのに、
なぜ、あわただしく いのちを散らしてしまったのだろう。と。