心地よい「人との距離感」はそれぞれ違う
特定の人、または多くの人に「自分は疎まれているのでは」「攻撃されるのでは」と怖いので
相手の顔色や視線、言葉の端々が気になって仕方ない、
また、ちょっとした一言でとても傷ついたり、原因について悩んだり、自分を責めてしまう。
そんな人のお話しを聞くことが少なくありません。
そんな時、カウンセリングスクールで、「人間関係のストレスの原因は『距離感』につきる」と教わったことを思い出します。
コミュニケーションに困難を抱える人の多くは、他人(または特定の人)が自分の領域にズカズカと遠慮なく入ってくることを恐れます。
でも、お話しを聞いていると、勝手に近づいてくることや、または攻撃されることを恐れて、相手のことをじっと凝視している。
「それは、本来離れた距離でいたい相手に、あなたから近づいていっている結果になっていますよ。」
と言います。
近づいていって、目の前で相手の方を凝視していると、その相手の回りにある色々な状況が目に入らなくなる。
例えば「職場の人にあいさつをしたのに返してくれない、嫌われているに違いない」と思い込んでいる方に
「その方は、同じ日に、他の人にはにこやかに挨拶していましたか?」
「その方は、その日、とても急いで緊張する仕事をしていませんでしたか?」
「その方は、最近、プレッシャーのかかる状況にありませんでしたか?」
と聞いていくと、その方自身が「そうでした、そういえば。。。」と気づいて
「自分のことより、他のことで頭がいっぱいだったり、テンションが高かった」ことが原因だった、と
自分で気づくことができます。
追い詰められるほど近寄っていってしまう、そんな考えのくせがあることを自覚して、
思い込みそうな時ほど、相手から距離を置いて、鳥瞰的に相手の状況を見られるといいですよね、と言います。
「考え方のくせ」は誰にでもあり、なかなか直せるものではないけれど、
「くせがあること」を自覚するだけでも、ちょっとは違うかな、と思います。