広島の自助グループ 「NPO法人 小さな一歩・ネットワークひろしま」

自死遺族支援、自死(自殺)防止のための支え合い

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父が遺した「生き様」という遺産

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今日は父の2回目の命日でした。

父は1984年に、会社に在職中からクリスチャンパートナーズという、発展途上国の貧しい児童や学生の学費援助を行う国際ボランティア団体http://partnersinternationaljapan.blogspot.jp/
の日本支部を設立し、20年間近く理事長を務めました。
その間、自費を活動に投じてアフリカやアジアの各地を回り、現地の宣教師や子供たちとの交流を続けていました。

マザーテレサにお会いしたこともあります。

2012年に、全ての役職を後進に譲り、86歳で本当の隠居生活を始めた途端、足が不自由になり、その後、身体のあちこちの機能が急激に悪くなっていきました。

父は不自由な体になってからも、私が始めようとする「小さな一歩」のNPO法人化を気にかけてくれ、
1つの通帳分のお金をそのまま寄付してくれました。
しかし残念ながらNPO設立の直前の2013年5月5日、87歳で腎不全で天国に召されました。

死後に遺産を整理してみて、新入社員の年収程度のその貯金は唯一にも近いものであり、
他にまとまった金額の現金は貯金も保険金も株券も、何もありませんでした。

定年時にはある程度まとまった金額だったお金はほとんどすべて、
クリスチャンパートナーズの活動に費やしたのです。

父が残したものは、貧しさから教育機会に恵まれない子供のためにお金や労を惜しまず投じる
生き様だったと思います。

そんな父の生き方を、今になって私は誇りに思うようになりました。

父の死は娘の死から2年後で、今よりずっと娘の死が肩にずっしりとあった私には
「やりたいことをし尽して寿命で天に召された」父の死は、むしろ幸せな最期だったと思われました。

でも、今、小さな一歩の活動を進める毎日の中で、父のことを思うことが少なくありません。
もっといろいろ教えてほしかったし、見守ってほしかったと思います。

厳格で生真面目な一方で、お菓子が大好きだった父。
遺影の前に飾られた「どうぶつビスケットに囲まれて、なんだか可愛らしく見えます。

 

2015年05月05日 19:54