現場で培われた助言は得難い
「こころのシェルター」サポートメンバーの方からの紹介で、
過去に、やはり、様々な苦しみを抱えている人にフリースペースを提供し、
食事を提供するボランティア活動をしていた2人の方とお話しをすることができた。
「フリースペース 木かげ」というグループだ。
9年間の活動中、本当に色々な人が来られ、様々な出来事が起きたとのこと。
「9年間は短かったですか、長かったですか?」と聞くと
「長い、短いで形容できない、『濃い時間』でした」との答え。
「充実していらした、ということですか?」
「充実、という綺麗な言葉ではなく、ただただ濃い時間でした。その時間で、私たち自身が学ばせたもらいました」と言われました。
「木かげ」に来られる人は、
過去の辛い経験がきっかけで心に不調をもつ人が多かったそうです。
また、家族に求めて、それが果たせなかった、
「素の自分、弱い自分、だめな自分の姿をさらけだせる」場所を求めてくる人が多かったそうです。
そんな人たちに、あるときは受入れて許しながら、
あるときは「ここはみんなが過ごす場所。あなたの思い通りにならないこともある」と叱責もしたそうです。
それこそ「お母さん」の姿ですね。
「これから始めるにあたって、色々な不安もあるのですが。。。」と
色々なケースを想定して、医療福祉や心理職などの専門職の助けを借りることを尋ねると
「専門家は必要ない。それより必要なことは。。。」と教えてもらったことは
1、覚悟(強い意志)を持って臨むこと
2、人間のやることには限界がある。最後はその人の幸せのために「祈り」の気持ちを持つこと。
3、スタッフ同士が本音をぶつけあうこと
4、苦しい人に向かい合う「苦しさ」をスタッフ同士が吐き出しあえること
5、心の病を持つ人だからと「特別扱い」「お客様扱い」をしないこと
(自分が「いや」だと思うことをする人には、本音でNOを言うこと)
6、走りながら考えること(やりながら変えていくこと)
と教えて下さいました。
9年間、肌身で経験したことを持ち寄り、考えながら、話し合いながら改良を続けた方々の助言は大変ありがたかった。
こういう出会いに恵まれる私は幸せです。