何よりもうれしいこと
慢性疲労症候群という病気を知っていますか?
原因不明の強度の疲労が長期間(一般的に6ヶ月以上)に及び継続する病気で
長期間の疲労感の他に体の傷み、筋力低下による運動能力の低下や、
思考力の低下や抑うつ、不安などの精神症状も現れて健全な生活が送れなくなるという病気。
“慢性疲労”という言葉が誤解の元となって、その重病性が理解されず、
「なまけているのでは」「気のもちようでは」などと、患者さんが偏見に苦しんできた病気です。
患者の増加や、この病態に対する誤解や偏見をなくそうと最近では
NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会(旧「慢性疲労症候群をともに考える会」)などの活動団体ができたり
http://mecfsj.wordpress.com/
NHKテレビ「ためしてガッテン」
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20141203.html
でも取り上げられました。
サンフレッチェ広島の人気選手として有名な森崎和幸選手がこの病気を患い、
引退を決意するも周りの方の支援や励ましで復帰しています。
http://ameblo.jp/urara-cfs/entry-11418889107.html
小さな一歩を通じて友人になったIさんはこの病気と闘っています。
心療内科や精神科でも治療法がわからない。
身の回りにも同じ病気の人がいないので、苦しみを分かち合えない。
そんな環境の中で孤独感を抱えながら、自宅で療養しているIさんに
同じ病気と闘う人と、ブログなどでつながってみたらどうか、と検索し、
いくつかのブログやホームページをお見せしました。
Iさんの第一声。
「こんなに同じ病気の人がいて、声をあげていると知らなかった。自分が一人で苦しんでいるように思っていて、、、、」
そうです、数字では国内の患者数30万人以上、と言われていても
直接誰かとつながっていないと、「自分だけ」と思ってしまうもの。
病気のため、遠方に出かけたり、大人数の集会などには出られないIさんでも
このようにネットでつながりを作ることができるのは、明るい知らせだったでしょう。
顔の表情が明るくなったIさん。
その後、珍しく話がはずんでいるうちに
「同じ状態でも『うつ』になる人とならない人の違いってなんだと思いますか?」と問われて
うまく答えられなかったのですが、苦し紛れに
「例えば、、、仕事がいっぱいいっぱいの状態になった時に
『俺がやらなきゃ、だれがやる』と思ってしまいやすいタイプはうつになりやすく
『俺がやらなきゃ、だれかやる』と思えるタイプはなりにくい、かなあ?」と言った瞬間
Iさんが、声を出して笑ったのです。
そして「その例えがおかしくて」と何度も何度も笑いました。私もつられて笑いました。
微笑むことさえ少なかったIさんの、声を出して笑う姿、初めて見ました。
うれしかった。本当にうれしかった。