なんで役所はこんなに疲れる
ここ1か月ほど、精神障害者認定をうけているある人(Aさんとする)とやりとりを続けています。メールで「助けて」と訴えてきたのがはじめで、
なかなか電話に応じてくれないまま、その間に何度も「遺書」としか思えないメールがあり、
そのたび、心臓が飛び上がるような、頭が凍りつくような思いがありました。
こちらからの呼びかけに応じず、「もう生きていないかもしれない」と思ったことも。
それでもなんとかつながりが続き、
今日はAさんに同行して
自治体の福祉事務所と保健所で話をするところまでこぎつけました。
それまで、「あれもこれも、『ダメ』『それ(精神保健福祉サービス)は受けられない』」と
本人が言っている内容を正確に理解しようと思ったからです。
30分のつもりで出かけたけど、終わってみたら2時間かかっていた。
Aさんが受けられる金銭的援助や受け入れ施設はまだまだいろいろあることがわかった。
それにしても、しっかりとこちらが頭を整理し、
いや、整理してもわからなくなりそうなのでしっかりとメモしないと「わけわからん」。
「こういう制度があります」
「こういう資格のある人が受けられます」
「そのためにはこういう書類を提出しなくてはいけません」
「書類を提出するためには○○に行って認定をしてもらわなくてはいけません」
「制度を利用しようとするとこういう制限がかかります」
「書類では一応、このように書いているけど、現実ではほとんど難しい」
1つ1つの制度利用のたびに、説明される。
それぞれ手順がバラバラで、一から理解しなくてはいけないし、色々並べられるうちに混乱してくるので何度も確認する。
今まではAさん1人では理解できないと、体の不自由な80代の親が同行していたらしいが、
分かるはずがない。というか、その時説明されたことだけはわかっても、別の制度を説明されたらごちゃごちゃになって混乱する、絶対。
自分自身が「人に迷惑をかけている」と負い目を持っている人は、私がするように、
自分が理解できるまで何度でも図々しく質問することもできないだろう。
なんで役所の制度は、どれもこれも、似たような長ったらしい名前がずらずら並んでいるんだろう。
役所を出てAさんが言った。「やはり難しいいんですね」。
いや、制度を利用することが難しいのではない。仕組みを理解するのが難しすぎる。
だから、利用できる制度も「無理!」と思ってしまっても仕方ない。
先日のシンポで、広島大学病院の「自殺未遂者追跡調査」結果が発表された。
自殺未遂者で、それまでに行政の窓口に相談した人は2割もいなかった。
その理由を私も今日は実感した。
自治体の話を一緒に聞き、解きほぐして説明し、「あきらめずに利用につなげる」
コーディネーターの必要性をひしひしと感じた。
2014年07月25日 15:21