「統合失調症がやってきた」
昨日NHKの「朝イチ」で統合失調症について取り上げていて、
「松本ハウス」のハウス加賀谷さんが自分自身の闘病について語っていました。
横では、相方のキック松本さんが、彼を見守るように同席していました。
私は最近、2人の共著(たぶん加賀谷さんの語りを文章にまとめたのも松本さんだと思う)
である
「統合失調症がやってきた」
を読みましたが、
統合失調症の症状の苦しさや恐ろしさが、大変詳細に書き起こされ、
ときには自虐ネタのような、2人のかけあい形式で書かれてます。
人気の絶頂期に、実は病と戦いながら舞台に立つ加賀谷さん。
病が原因で起こる色々なアクシデントやトラブルも鷹揚に受け止める松本さん。
病状が進行して廃業、入院闘病生活10年間の壮絶な日々。
退院後に接客業で社会復帰を目指すが、職場でトラブル続きで転々とする加賀谷さん。
彼の復帰を願いながらも「自分から声をかけるとプレッシャーになる」と
加賀谷さんから「もう一度やりたい」と言われるまで、長い目で見守り続ける松本さん。
読んでいて胸が苦しくなるような辛さなのですが
どこかに乾いた、自分の状況を苦笑しながら客観視しているような目線があるので
本として、読みみやすい。
たぶんこれは、加賀谷さんの生の言葉を、伝わりやすく、心にすっと入る
(だから共感しやすい)文章にまとめあげている
松本さんの表現力がなせるものだと思います。
いずれにしても、
自分自身の(見方によっては)負の体験を自分の言葉で世に送り出す。
名前も顔も出して、世間の逆風を覚悟して(世の中には本当に、人間不信で中傷好きな人間が多い)
「同じ想いで苦しんでいる人への理解が深まるように」発言していく。
この前のブログでも書いたけど、その勇気に感動します。
同じように
「人生は終わったと思っていた(アルコール依存症からの脱出)」も
著者である月乃光司さんの、
書名どおり、闘病生活と社会復帰の苦しさを描いた本として、
また、それでいて、どこかに、自分を客観視した乾いた目線がある点で
心に突き刺さるものがあります。
私はこの本を読んで、アルコール依存症の人に対する意識が大きく変わりました。
今日、精神疾患患者やアルコール依存症が加害者となっている
事件や事故が多いように思うのですが
そういう世相だからこそ
「こわいね」「やだね」ではなく、
心の病を持つ方に対する正しい理解が、世の中にあることが大切だと思います。