広島の自助グループ 「NPO法人 小さな一歩・ネットワークひろしま」

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インナーファーザーという呪縛

様々な心の問題や悩みを持って訪れる方々の中で、男性も少なくありません。
 
「思春期以降のこころの問題は、幼児期~成長期の親とのかかわりに大きな原因がある」
母性的な包み込むような愛が特に大事、とはよく言われます。
これに対して父性愛とは、家族という枠組みを守り、決まり事や規範意識を“愛をもって”身につけさせていく愛、と言われます。
子どもの成長に悪影響を与える父親とはDV、虐待、アルコールや薬物依存症、借金、生活力がない、女性問題など、父親である前に“人間失格”“生活破綻者”である姿がよく描かれます。
 
それに対して、私がよく出会う、成人男性の相談者には、別の形での「父親」の“生霊”が心の中に巣くっている人も多いように感じます。
典型的な父親とは
「まじめで、世間的に“羨まれる”ような組織で固い職業についている」
『働かざる者生きるべからず』が身上で、職場でも地域の中でも、人がいやがる仕事も進んで引き受け、労を惜しまず、組織の中の信頼が厚い。
そして『社会的地位の高い自分を家族に認めさせるためにいつも高圧的な態度で家族に対する』ので、家族の言い分は聞かず、一方的に自分の意見を押し付ける。
自分以外の価値観や生き方は『頭ごなし』に否定。
学歴主義、大企業や公務員偏重主義。
昭和の高度成長期に働き盛りで、根性主義。自分の栄光は今も輝かしく、年老いた今も口を開くとその自慢と、その時代の価値観を子ども(特に息子)に押し付ける。
当然、家族は父親を恐れながら、嫌います。
でも「お父さんは正しいから逆らえず」呪縛されたようにいつも顔色を見て生きている。
そんな家族の中で育った、特に男性に「父性恐怖症」(?)を感じます。

職場でも、声の大きい上司や同僚の“顔色”をうかがいながら生きる癖が体に染みついてしまっている。
「嫌われたくない」「怒られたくない」、その裏返しとしての「好かれたい」「ほめられたい」。
「インナーマザー」ならぬ、「インナーファーザー」が彼に巣くっているようです。
このように“恐る恐る生きている”男性は、なぜかこの、暴君のような上司を刺激します。
恫喝され、いじめられ、無理を押し付けられる。同僚も遠巻きにするか、便乗して彼を苦しめる。
家庭には“情けない息子”を恫喝する父親がいる。。。
職場のパワハラ問題は家庭内のパワハラ問題は無縁ではないと思えます。
最近スポーツ界では根性主義で育ってきた監督やコーチ陣と、現役選手との間で『パワハラ』問題が頻発していますが、家庭の中にあるパワハラ問題(DVや虐待とはまた違う)の解決策を誰か解き明かしていただけないかと思うのです。