広島の自助グループ 「NPO法人 小さな一歩・ネットワークひろしま」

自死遺族支援、自死(自殺)防止のための支え合い

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失われた10年の後遺症は、これから40年続く

世の中は改元ブームですか(失笑)
先日、テレビで「平成を『よい時代だった』と思う人が7割」、とのアンケート結果が出ていました。
「失われた10年」辛く暗かった時代をのんきに忘れられる幸せな人が多いのだな、と苦笑しています。

小さな一歩には、40代~50代で、生活の問題や心の問題に苦しむ人がたくさん来られます。
いま、世の中で言われる「8050問題」、まさにその最中にある人も多く来られます。
今日のyahooニュースにも取り上げられていました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190411-00010002-binsiderl-soci

私は以前、このブログで「ひきこもり若者支援や調査の対象が30代まではおかしい」と書いたことがありました。『今更騒ぐか』と言いたい気分です。

ただ、この問題で大きく言われる「後期高齢者の親と無職ひきこもりの子どもの今後の生活不安」は氷山の一角ではないでしょうか。
いま、職を得ている人や結婚している人でも「こころの問題」を掘り下げて聞いてみると、就職氷河期に何とか職を得たものの、雇用環境が劣悪だったり、自尊心を崩壊されるような仕事内容やパワハラによって心が折れてしまったことがきっかけで、心身のバランスを崩してしまった人。生きていくために何とか仕事にしがみついているが、転職を繰り返して安定した仕事につけていない人が多くいます。
また、この時代に、経済困窮が一因となって崩壊した家庭で育てられた年代の人の中に、親の言動によって深く傷つけられ、PTSDから対人不安障害や神経症を抱え、大人になって進学や就職をしても人間関係が築けない、という話も多く聞きます。家族は離散し、本人は苦しみながら1人で生計を立てています。

皮肉にも「50代の無職の子どもが80代の親の持ち家に住み、年金で生活できている」今を羨んでいる人も少なくないのです。

「今は求人難だから、今から正社員になればいい」、そんな簡単なことではありません。
20年間で急速に進んだビジネスのデジタル化、IT、ロボット化。十分なIT職業訓練も受けられなかった人々ができる仕事はやはり限られているのです。

令和は平成の「失われた10年」の“ツケ”を40年間でどう償うかの時代。
「無職」「ひきこもり」だけに焦点を当てるのではなく、広い意味での社会的支援が必要ではないでしょうか。


 
2019年04月11日 20:31