広島の自助グループ 「NPO法人 小さな一歩・ネットワークひろしま」

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衰えていく自分と付き合いながら来年も頑張ります

今日で2019年も終わりです。

自分の今年を振り返って、一番大きな出来事は、脳の記憶障害を起こしたことです。
2月、県内で講演中、突然、一過性全健忘という発作を起こしました。
一過性全健忘というのは、突然、直近の一定期間の自分の行動の記憶が頭から抜き落ちてしまう症状で、
分かりやすくいうと、突然「ここはどこ?私はここで何をしているの?なぜここにいるの?」という状態です。発作中の言動も記憶から抜き落ちてしまいます。
わかりやすい説明がWebにあります。
https://doctorsfile.jp/medication/20/
 
私から突然このような訴えの電話が出先からかかってきた夫はびっくりして、本当に怖かったと今でも言っていますが、私はその電話をかけたことさえ今でも思い出せません。
数日後に脳神経外科でMRIを撮ったところ、脳の海馬に脳梗塞が見つかりました。
以降、脳梗塞の薬を欠かさず飲み(血液を固まらせないようにする薬なので、出血すると止まらない、知らないうちにできている内出血のために腕や足にしょっちゅうあざができる、、、)ながら生活しています。

海馬とは脳の中で記憶を司っている場所。
記憶力に障害がある、というのは傾聴活動を続けるうえで致命的です。
傾聴した方が話したこと、自分が前回言ったことが、全てではないけれど、細かいことが記憶から抜け落ちてしまう。
約束した日時を忘れる。顔や名前を忘れる。
そのためにいつも、頭の中では焦って冷や汗をかいている。
事務的なことやスケジュールは、ひたすらメモをとることで被害を最小限に食い止めていますが。。。
聞いたことを全てメモにとることはできないし、まして自分の言ったことを書き留めることはできません。
いつも自分が何かを忘れているのでは、そのことで人に迷惑をかけているのではと恐れています。
「忘れる」のは、脳梗塞が原因なのか、単に脳の老化なのか、元々の粗忽な性格のせいか、色々なことをいっぺんに考えたり実行しなくてはいけないので、そもそも脳のキャパシティオーバーなのか。。。
2か月に1回の診察のたびに主治医に不安を訴え、若年性認知症の検査も受けたい、とお願いするのですが、なぜか、あまり真剣に取り合ってくれません。
 
いまのところ、一過性全健忘の発作は再発していませんが(再発の危険性は少ないらしい)。。。
 
老いる、ということは、こういうことだとしみじみと感じます。
数年前には緑内障を発症し、いつ悪化するか不安な視力とつきあいながら目を使っています。
今度は、記憶力です。「忘れる」こととつきあいながら生きていかなくてはいけません。
時々一人でいるとたまらなく不安になりますが、
「将来のことを過剰に心配しても、先のことはわからない。今を一生懸命生きるしかできませんよね」と他人に言う言葉を、自分にも言い聞かせて、なるべく周りに迷惑をかけないように、来年も生きていこうと思います。

なんだか、情けない、2020年の抱負になってしまいました(笑)
 
2019年12月31日 16:12