どんな仕事も人と人の縁で成り立っている。
私には、小さな一歩とは別の一面、というか本業があります。小さな一歩とは真逆のデジタルビジネス。数値データ分析解析や統計調査をする会社です。
取引先は100%法人やお役所で、社内外の人間関係もドライでクール。
必死に頑張っても取引先にしてみると「できて当たり前」感謝の言葉をかけられることも少なく淡々と仕事をします。
一見、心のふれあいや、言葉かけ、いやしなど、人の感情とは無縁の仕事で、27年間、この会社を経営してきました。
最近会社で、最大のピンチがありました。
業務の詳しい内容を一般の方にわかりやすく例えて言うと、「重病の方の薬を届ける運送のお仕事」とします。
日々薬が欠かせない人もいる中で、到着に遅れることは一大事です。
その運送用の専用車両がトラブルでどうしても動かなくなりました。他の車両では替えができません。
焦って調べてもその原因がわかりません。刻々と出発日が迫ります。
ふだん社の仕事と小さな一歩の活動は意識的に分けているのですが、そんなことは言っていられない事態です。ともしびのご縁にもすがって、個人的なつながりも含め、その原因を解決してくれる人を必死に探しました。
ともしびでご縁のある人から次の人、さらにその紹介で、、、と次々に話をつなげてもらい、エンジンの特定の場所に問題があるのでは、(でもその人は直し方はわからない)と指摘してくれたのは、それまで会ったことも話したこともない人。仮にAさんとします。
トラブル原因が分かれば、今度はそれを修理できる人をしゃにむに探します。まったくの個人的な偶然から、修理できる人(Bさん)につながったのは、出発日の当日でした。
一刻の猶予も許されない中で、Bさんがすぐに修理をしてくれたのは、その前につながったAさんからの指摘のおかげでした。なんとか大事に至らずに出荷ができました。
出荷が確認できた瞬間には、普段クールな社内で万歳三唱の歓喜の声があがりました。
Aさんにつなげて下さった方が心配して会社まで来てくれました。感謝です。
必死のお願いに、Bさんは他の仕事を後回しでトラブルを解消してくれました。感謝です。
途中、無理やり大量の仕事を押し付けられたテレワーカーの方々やおつきあいのある会社の社員の方々はプロ意識で無理な仕事をきちんと期日まで仕上げてくれました。感謝です。
社員は深夜まで、子どもがいる人はテレワークや子ども連れで休日出勤して仕事を完成させてくれました。
愚痴も泣き言も弱音も口にせず、もくもくと、必死に働いてくれました。
ありがとう、頼りになるスタッフに恵まれた私は幸せです。
この間、こころのともしびにはほとんど顔を出せなかったけど、しっかり守ってくれたともしびスタッフさん。ありがとう。安心して仕事に集中できました。
毎日全く家事をせず、午前様の私に文句を言わず、犬猫の世話もしてくれた夫にも感謝です。
3週間くらい、ほとんど、帰宅したらすぐ日付が変わっていました。栄養ドリンクも飲みました。
でも、気持ちは「できなかったらどうしよう」「失敗したら会社はもうお終いかも」と不安にとらわれ、出口を見失っている時が一番疲れ、消耗していました。
出口が見えた、あとはがむしゃらに走るだけ、というときには体は疲れていても心は一点に集中していました。
やっとトンネルを抜けた今日の朝、いつものように「おはよう」と出社したら、PCから目を離すこともなく、もう次の仕事に忙しくしながら「おはよ~ござ~ま~す」とあいさつする、いつもの社員がいました。
「今回は慣れてなくてえらい苦労をして悔しいから、この教訓を無駄にしないために次回同じ仕事が来たらもう一度受けようか」と言ったら「そうですね、今度は名誉挽回で。次は楽にできるよう、しっかり準備してやりましょう」とたくましい答え。
これはこれで、わが社らしくていいか(笑)
2020年07月13日 16:55