自殺防止センター相談員の方の重い助言
先日来、三浦春馬さんの自死について、色々な報道や発言がネットを中心に散見され、その都度苦い思いをしていました。
そんな時、「東京自殺防止センター」ベテラン相談員の村明子さんのインタビューを拝見し、とても重みのある発言として読みました。
記事の全文は⇒
「三浦春馬さん急逝に揺れる人たちへ…自殺防止センター相談員のメッセージ
村さんは三浦春馬さんの自死報道のあり方が個人の尊厳をふみにじるものであると、大きな疑問を感じておられます。私も全く同感です。
また、長い自殺防止活動をされている方ならではの、「死にたい」声への答え方に感銘しました。
【一文抜粋】
「死にたいという人や、自死で亡くなった人がいると、なぜなんだろう、とか、生きていてほしかった、とか思ってしまいます。」という問に対して
「私たちが、死にたいという人の相談を受けるとき、その理由や原因をこちらから聞くことはありません。『なぜ死にたいの』という問いは必要でしょうか。
自殺防止センターは、電話してきた人の、死にたいという気持ちを受け止める、という考え方でやってきています。その人の、死にたいという気持ちを尊重して聞くことが大事です。死にたいと思う理由や原因は、自分自身で何とかできるようなことではありません。何とかしようとしても、難しいよね、どうにもならないよね、と寄り添う気持ちが大事だと思います。
「悩んでいる人の周りの人は、どうすればいいかというと…。苦しいって言っていいんだよと声をかけて、死にたいって言われたら『そうだよね』と受け止めることです。一番、言ってほしいけれど、一番、言ってもらえない言葉が、『そうだよね』なんです。
身近な方が自死してしまった時、『なぜ、気づかなかったのか』と自分を責め、『何が原因だったんだろう』と答えの出ない問いに苦しみます。実際は実行するまでには、長い苦しみとたくさんの葛藤があります。周りに心配をかけたくないと、何も言わずに旅立つこともあるのです。その気持ちを尊重したいと思います」
私も「死にたい」と電話口で開口一番言われることが結構あります。
その時反射的に「そうだよね」という応答は、わかっていてもとてもむずかしい。
「その気持ちがわかるよ」と共感していいか、一瞬の戸惑いから(本当はその『共感』こそが大切だとわかっていても)なかなかとっさに出てきません。
その言葉を自然体で、暖かく、励ますように電話口で伝えることができる村さんを改めて尊敬し、見習わなくてはと思ったのでした。