「若年層,特に若い女性の自死急増」についての取材を受けて
今日、テレビの取材がありました。若年層と女性の自死が最近急増している現状を受けて,ニュース番組の一部に、自死遺族である米山個人の想いと、現在の小さな一歩の活動について取り上げたい、との依頼によるものでした。
小さな一歩でも、個室傾聴や電話,LINE傾聴を通じて、多くの方からの「死にたい」叫びが届きます。
「死にたい」気持ちを消す「特効薬」のような言葉かけはありません。
ただただ、その辛い想いを否定せずに「聞く」ことしかできないのです。
また、「若年層,(特に若い女性)」が死にたくなる気持ちや傾向に共通点を見出すことはできないし、するべきでないと思っています。
抱えている苦しみや「命を落とすまでの経緯」は1人1人全く違うのです。
それは、自死遺族の方と、亡くなった方のことをお話しして思うことです。
「若い人、女性」をグループ化するようなくくりはしてほしくない。
だから、「若い女性の自死にはこういう傾向があり、このように防ぐべき」という分析は個人的に好きではありません。
なので、今回の取材でも「最近の若年者や女性の自死増加についてどう思うか」というコメントはお断りしました。
小さな一歩として毎日開いている「こころのともしび」は「自死防止活動をしています」と表看板をあげているのではありません。
身近な誰にも話せない「心の重荷」でとても疲れている時、どこかで荷下ろしをしたいと思っている時、そんなときに、予約とか料金とか、そんなことを気にせず、ちょっと休憩をして、荷物を肩から降ろしてみましょうよ。
重荷がマジックのように消えることは難しいけど、凝り固まった肩こりをちょっとほぐしてみましょうよ。
少し休んで、暖かい飲み物でも飲んで、雑談でもしてみませんか?
休憩ついでに、重い荷物の中身をちょっと整理してみませんか?
そんな呼びかけをして5年以上が経ちました。
今回の取材では、そんな「こころのともしび」の日常風景をカメラに収めてもらいました。
2時間以上の取材でしたが、放送で使われるのは5分くらいだそうです。
私たちの想いを5分間の放送に汲み取ってくださることを祈ります。
2020年10月19日 19:35