広島の自助グループ 「NPO法人 小さな一歩・ネットワークひろしま」

自死遺族支援、自死(自殺)防止のための支え合い

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己にできることの限界を痛感しながら「寄り添い続ける」

8月26日、広島県総合精神保健福祉センター主催「自殺対策人材育成研修」を受けました。
講師は東京を中心とした首都圏で「自殺企図がある人」に電話、SNS、LINEでの相談事業を行っている「特定非営利活動法人 メンタルケア協議会」の西村由紀氏です。
メンタルケア協議会 / Japanese Association of Mental Health Services (npo-jam.org)
 
恥ずかしながら、自死防止・自死遺族支援の端くれにいる私ですが、
気が付くと自己流になったり、自分の考えや受け答えの「くせ」が出てしまう。
常に学び直しを繰り返さないといけないと思っています。
 
今回の研修でも新たに気づいたこと、わかっているつもりで曖昧だったこと、頭でわかっていても
「ゆるみ」「自己流」がでていたことを改めて感じました。

以下は講義内容の一部からの編集です。
 
「死にたい」と訴える人、「死にたいと訴える」人を支える人、「死にたい人」を救えなかった人、、、本当に、聞くことがつらい。
少し話を聞いたくらいで相談者の本当の姿や深い悩みが「わかるわけがない」。でも「わかろうとする姿勢や努力が大事。」自分の想像で勝手な理解をして、早とちりし、「わかった気になってしまう」のが一番怖い。
 
何も返せる言葉がなくなって、絶句してしまうこともある。
そんな中で、無意識に「何か役に立つ情報や知識を返せないか」「『相談して救われた、楽になった』と思える言葉はないか」ともがいてしまいます。
「それを考えることに頭が回ってしまい、相手の方の本当の気持ちに耳が向けられなくなる。
悩みを解決したり、びっくりするほど役に立つ助言、相手の間違いや行動を直してあげることなどできない。
できることは、相手の辛さに寄り添って、『いまのこの時間だけでもちょっと楽になるためのお手伝いをする』程度のこと。そのためにできる限り「誠心誠意努力する」。
つまり『しっかり話を聞くことだけに集中する』。
 

以前、傾聴をした方が最後に言われたことがありました。

「今日は本当によく聞いてくださり、ありがとうございました。
気持ちが楽になりました。

でもあなたには私の気持ちはわからない。
自分の行く場所があって、自分の「席」がある、あなたには。」

忘れることができません。
2022年09月07日 19:52