広島の自助グループ 「NPO法人 小さな一歩・ネットワークひろしま」

自死遺族支援、自死(自殺)防止のための支え合い

ブログバナー

活動の主旨と主な内容ブログ ≫ どんな日々でも暦は進む ≫

ブログ風 日々のつれづれ

どんな日々でも暦は進む

今年も12月を迎え、カレンダーやスケジュールノートが店頭を飾る時期になりました。
 
この時期になると11年前の年末を思い出すことがよくあります。
6月に娘を亡くした後も、表向きは普通に社会人を装う毎日でしたが、暦の感覚が一切ありませんでした。
毎日、魂をどこかに棚上げし、目の前にある役割だけを盲目のようにこなし、帰宅すると魂が抜けたように倒れこむ毎日でした。
 
年末、何かの用事だったと思います。久しぶりに繁華街に出かけた私は、多くの人々が楽しそうに来年のカレンダーや手帳を選んでいるのを見て、不思議なものを見るような想いになりました。
「ああ、月日は流れていくんだ」
「世の中の多くの人々はこうやって来年を楽しみにして生きているんだ」
自分とは異世界の光景を見たように思えました。
「私にはもう、来月も来年もない。暗闇の中を黙々と歩いているだけ。」
 
会社の経営者としてすぐに仕事をやめるわけにいきませんでした。最低限の予定表だけは必要。
「あと1年分だけ手帳を買おう。来年の今頃はもうそれもいらなくなる」そう思いながら1冊買った記憶があります。(その頃はスマホのカレンダー機能などない時期です)
 
それが、気がついたらもう11年。
会社の仕事と小さな一歩の活動の「二足の草鞋を履く」生活で、毎日予定表を確認します。
 
でも、来年は本当に1つの役割を終えることができます。
自ら起業した会社は満30年になります。年齢的にも定年を迎える年になります。
来年、会社を解散し、社員は円満移籍。業務の一部も継承会社に譲渡することが決まりました。
小さな一歩の活動も来年で10周年になります。
 
長く、厳しい道のりだった。
険しい山道を杖を頼りに歩いてきたようにも思う。
でも、だからこそ見えた新しい景色も、たくさんある。

伴走してくれた多くの人に感謝です。
 
まだ人生は続く。来年はどんな1年になるんだろう。
いまはそう思える自分がいます。
 
2022年11月30日 18:48