広島の自助グループ 「NPO法人 小さな一歩・ネットワークひろしま」

自死遺族支援、自死(自殺)防止のための支え合い

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小さな一歩活動10年。会社の社員の後方支援に感謝します

 小さな一歩の活動は2013年2月の「自死遺族の希望の会」から始まり、10周年になりました。
先日、ゲストさんとのお話の中で、「なぜこの活動を始めたのか?続けてこられたのか?」との問いかけへの答えを考えているうちに10年前のことが思い出されてきました。
 
 福祉の知識も経験も資格もない、ただの民間人である自分。「そんな自分に何ができるのだろう」をずっと模索していた日々。その中で、「ひとの話を真摯に傾聴する」ことは、それまでの仕事の経験からできるかもしれない」と思ったのでした。

 というのは、私は、大学卒業と同時に市場調査会社に入社して43年、起業した会社で30年、「市場調査業」を営んできました。
 市場調査というと、一見デジタル,数字の世界のようなイメージですが、「座談会調査」という手法があります。少人数(6~8人くらい)の人を集め、テーマに沿って、出席者の本音を丁寧に、真摯にお聞きする調査です。司会者は自分の主観や意見ははさみません。
 一介の素人である自分でも、座談会調査の長い実務経験は「傾聴」「分かち合い」に何か活かせるのではないか、という一縷の想いから、「自死遺族の希望の会」や「こころを休憩する会」の立ち上げを決意しました。
 
 また、当時お世話になっていた、広島教会の牧師先生にその想いを相談したところ、快く教会の集会室を提供してくださったことも、大きな後押しになりました。(信者でないにもかかわらず,娘の葬儀の司式をしてくださり、教会の墓地への納骨も許可してくださった先生です。)
 
 10年間には色々なことがありました。
 会社の仕事と小さな一歩の活動との両立に苦しんだことも多々ありました。
 特に8年前の6月に「こころのともしび」の活動を始めたときには、両輪のように「毎日同時進行で続けたい。」そんな無理な理想は、現在の「庚午ビル」との偶然の出会いがあったから叶ったのだと思います。
 「庚午ビル」の1階フロアは、2つの事務所が同居するに十分な面積。特に、入り口を反対側の2か所に設けることができる設計が可能で、来客の動線が交わることがないフロアプランを作ることが可能でした。これは都市部の共同ビルではとても珍しいもので、私が抱いていた理想を叶えるものでした。

 毎日「会社の事務室」と「こころのともしび」を行ったり来たりしながら続けてきた日々も今年の3月で終わります。30年間続けてきた会社を解散し、社員の次の行先を見極め、経営者としての私の役割はハッピーエンドを迎えます。
 小さな一歩の活動を無事に続けてこられたのは、私を支えてくれた多くの人々の下支えがあってのことです。
 特に、落ち着いて席につけず、サポートもろくにできない、情けない上司である私に苦情を言うこともなく(心の中では不満もたくさんあったと思いますが汗)、毎日一生懸命仕事に取り組んでくれた会社のスタッフがいてくれたからこそだと改めて思っています。

 こんな経営者に今までついてきてくれた社員のみなさん、ありがとう。
 今、こうして活動ができるのは、あなた方の静かな「後方支援」のおかげです。
 
2023年02月01日 19:06