「不安」とつきあう
生きている限り「不安」はいつもつきまとってきます。その多くの元として「老・病・死」があり、「いつ」「どんな形で」現れ、進行し、結末があるかがわからない。「暗闇の中に潜んでいる」もの。または今そこにある「暗闇」から「いつ」「どんな形で」抜け出せるかがわからない。もしくは「一生抜け出せず」「もっと深い暗闇に引きずられるかもしれない」
「わからない」から不安なのです。
私には「緑内障による失明の不安」がいつも頭につきまとっています。
緑内障が見つかってから10年近くたっています。
検査によると、私の目はすでに半分の周辺視野が欠けているそうです。
「緑内障とは」
緑内障|中央眼科グループ (chuoh-eye-clinic.com)
緑内障という病気はり患してしまうと「治療や手術による視力の回復」ができません。
見える範囲(=視野)は長期に渡り」、徐々に狭まっていき、気づかないうちに失明の危機にさらされます。
すでに失われた視野を治療や手術で元に戻すことは現在の医学ではできません。
毎日忘れずに目薬をさして、「今以上に進行しないように」食い止めることしかできません。
毎朝、「まだ自分の目は『使用に耐える状態なのか』『昨日より見えていない部分が広がっていいか』を自分なりに確認します。時々、目の前が霧がかかったように濁っていて、『いよいよ症状が悪化したか』とパニックになりかけるが、コンタクトレンズが汚れていた、なんてことも笑えない日常です。
そんなある日、改めて「緑内障」について書かれた専門書を読む機会がありました。その本には、「失明の可能性はあるが、生存中に完全に失明する人は患者の1%」と書かれていたのを読んで、少しほっとしたのです。
振り返ってみると、眼科で病名宣告をされたときに、このような説明はありませんでした。
この一言があれば、「きちんと薬を続けていれば完全な失明は免れる」と思って、少しは不安が和らいだのでは、と思います。
緑内障の進行を完全に止めることはできないけど、何とか、生きている限り、残された視力で生き抜いていきたいと思っています。
最後に一つ申したい。
中高年対象にいろいろな一般検診がありますが、緑内障の検査をぜひ眼科検診の一般検診として加え、早期発見につなげてほしい。
ある日突然「四肢や内臓に異常がなくても後期失明によって、いままでできていたことが、いつできなくなるのか」という不安にさらされる人を少なくするために。
2024年05月29日 17:39