ネガティブでいい
先月の自死遺族の分かち合いである出席者が、「どうしたらネガティブな想いをポジティブに変えられるか、乗り越えた人から教えてほしい」
という問いかけがありました。
その問いかけに対して、1人の方が、
「ネガティブな想いが『いけない、何とか消さないといけない』と頭で思って、
発想の転換をしようしよう、と思っても、湧き出てくる想いを押さえつけることはできない。
むしろ、閉じ込めようとすればするほど、体の中で溜まって噴き出そうとする。
自分の中の矛盾が、体も心も悪くする。
『ネガティブな自分』も、そのまま、全て受け入れて、『そういう自分が自分なんだ』と
心の底から思えるようになったら楽になる。」
といったことを言われました。
精神科医でもカウンセラーでもありません。
家族の自死をきっかけに神経の病気で、何年間も引きこもりの生活を送った方です。
このことを、自分の中で納得するまでに、他人では想像できないほどの身体の痛みや
自己嫌悪や矛盾に苦しんだ方です。
身を削って経験してきた人だからこそ、の言葉の重みがあります。
私が決まってネガティブな想いに入ってしまうのは、娘が遺した愛犬と夜の散歩をしている時。
暗い夜道を犬と歩いていると、娘が身を投げた10分間のことがフラッシュバックします。
その都度、自分を責める想いが洪水のようにあふれてきてしまう。
さびしくて寒い、川べりの道を歩いていると、このまま歩き続けていると娘のいる場所に
たどりつけるのでは、と思ってしまう。
消せない想いではあるけど、消さないから、いまの「小さな一歩」の活動が始まり、いまがある。
「ネガティブな想いも大切な自分のこころの一部」。
まるで持病とうまくつきあって生きていくように。
だから、というわけではないのですが、
ネガティブな自分を否定せず、受け止め、つきあっていく方法を昨年、大阪で体験しました。
そのセミナー講師を広島におよびし、同じ内容で講義をしてもらうことにしました。
「ネガティブ思考をやめて、ポジティブ思考に転換させなくちゃだめだ」と
言われて悩んでいる方にお勧めしたいと思います。
セミナーのご案内は「勉強会、研修会の開催」に載せています。
2015年01月08日 19:26